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本郷そばの里

信州といえば「そば」というくらい、特産品の代表格です。『信州 里の菓工房』では、そばの産地にふさわしい、地元・飯島産のそばを使った風味豊かな「そば饅頭」を作りたいと考え、地元でそばを生産する『株式会社本郷農産』さんからそば粉を分けていただくことになりました。今日は、当社の誇るそば打ち名人が代表の小林さんを訪ね、そば栽培に関するお話を伺いました。
株式会社本郷農産 小林さん 〈信州 里の菓工房スタッフ 原(以下 原)〉 飯島のそばの生産はどんな状況ですか?
〈株式会社本郷農産 小林さん(以下 小林)〉 現在、長野県では約2200ヘクタールの土地でそばの栽培が行われています。そのうち800ヘクタール分の土地に播く"種そば"40トンをここで栽培しています。今年の生産高は110トンで、地元のそば屋さんや県内製粉業者へ、約65トンを供給しました。それでも、国内のそばの需給率は22%程度ですから、まだまだ国産は貴重品ですね。

〈原〉 すごいですね!そんなに多くをどのように栽培しているのですか?
〈小林〉 水田転作の対応策として、本郷地区内の約110戸の農家の土地を数ブロックに分け、年毎に栽培地を変える事で品種純度の高いそばを生産しています。また、有機肥料を使いそばの生育速度を調整し、刈り取り寸前まで実らせることで、収量の確保安定を図っています。そば専用の乾燥調整施設を持っていますから、乾燥水分や粒揃えが安定し、品質向上に大きく貢献しています。おかげさまで今春、これらの取組が評価され、農林水産大臣賞をいただきました。
〈原〉 水田を〝畑地化〟し、そばを栽培するのですね。でも、そば打ちの仲間から「そばはやせている土地に作るもの」と聞いたことがありますが...。
〈小林〉 そばだって土地が肥えてなきゃだめなの。昔の人はそばに肥料をやるくらいなら米や麦にやったからそう言われています。今でこそそばは珍重されてますが、弥生時代に非常食として栽培されていたと文献にあるほどで、米・麦・粟・黍・豆の五穀を作ることができない土地に作るという、そばにとっては、ちょっと悲しい歴史があるのです。

〈原〉 苦労されることはどんなことですか。
〈小林〉 水田から畑に変えるので、排水には苦労しますね。畝を作り、その高い所に種を播く特殊な機械で対応するので、当社で全て作業を受け持ちます。
〈原〉 収穫は天候などにも左右されますが、いいそばを常に安定供給するのはたいへんですね。
〈小林〉 全国的に不作の時はありますが、そんな中でも常にいいものを安定的に作ることで、そばを食べるお客さん、そばを作る店、材料を納める業者、そして生産農家、みんなが良くなることが大事だと思っています。
〈原〉 当社の鎌田社長も農家の方のよい素材をおいしいお菓子にして、それを召し上るお客さまが満足してくださる、農家・お客さま・弊社の三者が喜ぶ仕組みが基本だとよく話して聞かせてくれます。

株式会社本郷農産 〈小林〉 それと、そばは本当に厳しい目を持った製粉業者さんやおそば屋さんがたくさんみえます。その人たちに満足してもらえるようなこだわりのそばをつくっていくことが、最終的にはそばを食べるお客さんに喜んでもらえることにつながるわけですね。品物のこだわりが分かれば買う人はその対価を出すもの。値段の高いお菓子でも欲しい人は買うよね。商品にどういう価値を持たせ、その価値をどう魅力的に伝えるかが大事だと思います。"心のプレミア"はお金には変えられないものだと思うよ。そんな思いでこれからもそばをつくっていきたいですね。
〈原〉 小林さんたちの愛情のこもったそば粉を提供していただくのですから、そばの風味を生かした信州 里の菓工房ならではのお菓子を作りたいと思います。

株式会社本郷農産 株式会社本郷農産
本社 長野県上伊那郡飯島町本郷2238
TEL 0265-86-6510
URL http://www.hongounousan.com/

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